第112章 プレッシャーを橘結衣に向ける

藤原亮介は芸能界に入ってからというもの、スキャンダルの種が絶えない男だった。

噂になった女は数え切れないほどいるが、どれも結局は一瞬で立ち消える。だから野口真優は、そんな話を端から気にしていなかった。

「杏里、心配しなくていいわ」

野口真優は落ち着いた所作で紅茶を口に運ぶ。

「亮介って昔から気分屋でしょ。女子高生に伴奏させるとか言ってるのも、恋愛に浮かれて思いつきで口にしただけよ」

自分で言いながら可笑しくなって、真優は小さく鼻で笑った。

「彼のライブって、どれも人で埋まるじゃない。あんな大舞台で、しかもファンが何万人も見てる前で、女子高生を出すなんてあり得る? 無理に決まってる...

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